【読書レビュー】『空中ブランコ』著者:奥田英朗 を読んで

こんにちは、カイテキーノな生活を目指すひよっこです。

今回は【読書レビュー】を書きたいと思います。

目次

※読書レビューのいつものルール

分かりやすくするため、自分の評価を一覧にしています。
(あくまでもとても個人的な感想で、作品の良し悪しとは全く関係ありませんm(__)m)

項目
1ストーリー作品全体の内容について
2構成・展開ストーリー展開について
3登場人物キャラクターについて
4文体・表現読みやすさや引き込まれやすさなど
5読了感読み終えた後味など
hiyokko主婦

読書レビューは、単純に自分の趣味になりそうです。
もし誰かの参考になれば、ちょっとうれしい…。

作品は『空中ブランコ』著者:奥田英朗 さん

作品の概要

伊良部総合病院地下の神経科には、跳べなくなったサーカスの空中ブランコ乗り、尖端恐怖症のやくざなど、今日も悩める患者たちが訪れる。だが色白でデブの担当医・伊良部一郎には妙な性癖が…。この男、泣く子も黙るトンデモ精神科医か、はたまた病める者は癒やされる名医か!?
直木賞受賞、絶好調の大人気シリーズ第2弾。

この作品は、わたしが読書を始めたかなり序盤に読んだ本で、もしかすると読書にハマるきっかけになった作品かもしれません。

読書の楽しさを教えてくれた、個人的に思い入れのある大好きなシリーズです

\hiyokkoのおすすめポイント/

  • 全体的にコメディタッチの雰囲気で楽しく読める作品です。
  • 精神科医 伊良部一郎』の作品としてシリーズ化されており、好きになったら3冊楽しめます。
  • 奇妙奇天烈な医者らしからぬドクター伊良部一郎のキャラクターがとても魅力的
  • 「心の病」という重い題材を扱っているが、底抜けに明るいキャラクターが主となっているので楽しく読めます。しかしながら実はちゃんと心の病を治療してくれるというギャップの描き方が素晴らしい。
  • 誰もが知らずに抱える心の重しをそっとおろしてもらえるような気になる優しい作品です。

著者:奥田英朗さんについて

1959年生まれ、岐阜県出身の作家さんです。

岐阜県立岐阜高等学校卒業後、プランナー、コピーライター、構成作家を経て出版社への持ち込みで1997年『ウランバーナノの森』でデビューしました。

  • 1999年 2000年「このミステリーがすごい」…『最悪』…7位
  • 2022年 2001年「このミステリーがすごい」…『邪魔』2位
  • 2004年 第131回直木賞…『空中ブランコ』直木賞受賞

その他沢山の著書を出されています

奥田英朗さんの代表作

精神科医 伊良部一郎シリーズ

わたしはなぜか「空中ブランコ」から読んでしまいましたが、発行順は「イン・ザ・プール」→「空中ブランコ」→「町長選挙」です。ただ章ごとに一応独立したストーリーなのでどれから読んでもそんなに支障はないと思います。

また、わたしも知りませんでしたが、Dr.伊良部一郎シリーズとしてドラマ化されたり、アニメ化されたりしているようです。

わたしは偶然、阿部寛さんが伊良部役をやられているドラマを見てびっくりしました。伊良部ドクターは豊満な体格の設定なので阿部さんには違和感がありました(笑)

その他代表作

載せきれないのでピックアップしました。この中では私が読んだことあるのは「我が家の問題」と「罪の轍」ですが、「伊良部シリーズ」のも含めて振り返ってみると、本当に同じ作家さんの作品かしら…と思うくらい多彩なジャンルを扱う作家さんです。

hiyokko主婦

「我が家の問題」は何気ないほのぼのとした家族のストーリーだったし、「罪の轍」は終始重い雰囲気とストーリーです。

「空中ブランコ」を読んだ感想

(がっつりネタバレが含まれますので読みたくない方はスルーしてください)
(★の評価だけ見たい方は下の表までスクロールしてください)

【目次】

  • 空中ブランコ
  • ハリネズミ
  • 義父のヅラ
  • ホットコーナー
  • 女流作家

誰もが抱えるストレスや悩みを持った人々が、伊良部総合病院神経科へ訪れます。

ところがそこにいるのは強烈な破天荒医師の伊良部一郎。デブで色白、ナイスバディな看護師を横に置き、患者の話を聞いているのかいないのかとにかく「ぐふふ」と笑いながら何が入っているのかわからない太い注射を有無を言わさず打ちます。

小学生のいたずら坊主のような喋り方と行動をとる伊良部を前に患者たちは、時には絶望し、時には半笑いになりながらも、なぜか診療室を訪れ注射を打たれ続けます。伊良部の治療(?)のほとんどは診療室外で行われ、患者の生活にズカズカ踏み込み一緒に行動し始めます。ですが一見治療のための行動というよりは、伊良部がただただ好きなように行動しているように見える…患者も読者もあっけにとられ「こんな医者いる?医者とは思えん…」となっていくのですが…。

伊良部医師を見ていると、一般的な大人が持つ「常識」であったり「体裁」であったり「見栄」であったりを全く持ち合わせていない、とても「非常識」な人間であり医師です。そんな伊良部を目の当たりにすると患者は「医者なのになんて非常識な人間なんだ。こんな人にこちらも見栄や虚勢を張る必要がない」と感じ伊良部と接する時は、気づかずに着こんでいた、よく言う「心の鎧」を脱ぐように読み取れます。

そうして伊良部と接しているとだんだん「素」の自分を出せるようになり、本来やりたかったことや気づかなかったこと、自分の知らないうちに隠していた本当の気持ちに少しづつ気づかされます。

その描き方がどのストーリーもとてもコミカルでバカバカしく「ぷっ」と拭きだすような面白さがあり気づけば伊良部中毒になってしまうのです。描かれている患者と一緒に、読者の自分も悪友のような伊良部医師を好きになり嫌いになりまたラクになります。こんなにおかしなやつもいるんだから自分の悩みなんてたいしたことないかも…というように。立派な人やステキな人に囲まれていると憧れたり近づこうとする反面、背伸びしすぎて心が無理しすぎてしまうのかも知れません。

だからもし、自分が心の病の病院に通うとするならば、絶対にドクター伊良部にかかりたい!と思うのかもしれません。このシリーズももっともっと読みたいと思うのかもしれません。自分のみっともない部分や誰にも見せられない部分を、こんなヘンテコ医師になら見せられて心が軽くなるかもしれません。

これが伊良部の天然なのか計算なのか、わからないように描かれているのがこの作品の一番の魅力かもしれません。

hiyokko主婦の★の数

項目
1ストーリー
2構成・展開
3登場人物
4文体・表現
5読了感
hiyokkoの感想


  1. どのストーリーも、読み手が共感しやすい題材と思います。
  2. どの章もある程度形が決まっていて、それが心地よい。
  3. この作品の一番素晴らしいところです。伊良部一郎あってのシリーズです。
  4. キャラクターの不気味な感じや、可笑し味が表現されていて素敵です。
  5. 心が軽くなる、楽しい時間を過ごせた満足感があります。

総合の点数は4.4点になりました。

hiyokko主婦

冒頭は少し相関図が分かりづらいかもしれませんが、読み進めていくとヘンテコ伊良部先生の奇抜な行動が楽しめます。結末はハッとさせられるかと思います。
プッと笑いながら心のお洗濯をしてほしいです。

本日のカイテキーノでした。

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